第74番 こう   やま    じ

ご詠歌
じうにしん みかたにもてる いくさには
おのれとこころ かぶとやまかな



 弘法大師は幼いころこの附近で遊ばれた。土の仏像や草木の小堂をつくったり、石を重ねて塔にしたり、愛犬をつれて歩かれたりした。近くの仙遊ヶ原地蔵堂は大師のそうした遊び場であったという。
 善通寺へ向かう道沿いに小高い山がある。山の名を甲山という。寺は山の裏側にあり、山門を入ると正面が本堂、左に大師堂、鐘楼毘沙門天の岩窟、右に護摩堂、庫裡がある。 大師が善通寺と曼荼羅寺の間に伽藍を建立しようと、その霊地を探していたら、甲山の麓の岩窟から老翁があらわれ、暗示を受けた。大師は歓喜のあまり、石を割いて毘沙門天の尊像を刻んで岩窟に安置し、供養された。
 その後大師は京都におられたが、弘仁十二年(八二一)満濃池築造の別当に任ぜられて当地へ赴任し、薬師如来を刻んで工事の成功を祈願した。その徳を慕う数万の農民によって工事は完了した。そこで堂塔を建立し、薬師如来を本尊として安置したという。
本尊真言
おん ころころ せんだり まとうぎ そわか


名称 医王山 甲山寺
宗派 真言宗善通寺派
本尊 薬師如来
住所 香川県善通寺市弘田町1765−1
Tel  0877−63−0074
交通
徒歩 出釈迦寺→甲山寺 約 30分 2.5km
 車       〃     約 10分 3km
宿坊なし





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