機会の学塾・萩研修

 機会の学塾との交流会の為、訪韓していた私は、6月30日、機会の学塾7期生の塾生と一緒に韓国釜山の金海空港にいた。塾生達は、今日から約1週間の日本研修に出発しようとしていた。塾生の中には、初めて訪日する人、何度も訪日した事のある人と様々だったが、今回は研修旅行という事もあり普通の旅行とは違った心構えでいるのが感じられた。
 金海空港から出発した飛行機は、福岡空港へ降りた。そこから博多駅に行き、第一の目的である小郡駅まで新幹線で移動した。その道中塾生達は、道を行き交う車、又バスの運転手の運転マナー、実際に目にする日本の町並、人々の仕草等、様々な物に関心をよせ、それについて塾生同志で話し合ったり、時にはYoo先生(機会の学塾の塾主)や私に質問を何度もしてきた。同じ様に街中を歩くのでも、ただ歩くのと何かを感じ取ろうとする姿勢で歩くのとでは、大きく違っている。塾生達は、今回の研修で一つでも多くの事を学んで帰ろうという意欲が感じられた。
 小郡駅に到着し改札を抜けると、そこには四国政経塾のメンバーが出迎えに来ていた。そこでしばらくの間、久しぶりの再会、また始めてあった人は互いに挨拶を交わした。そこからは四国政経塾が準備していたバスに乗り込み、秋吉台・秋吉洞・サファリーパークなどを観光した。その日の観光が終わる頃には、四国政経塾・機会の学塾、両塾生間の雰囲気も打解け気軽に話し合える様になっていた。
その夜、両塾生の親睦をより深める為に懇親会を開いた。その席で塾生達が、今日一日で感じ取った事を発表した。その発表を聞いていて私が感じた事は、同じ物を見ても、人それぞれ感じ取り方が違うという事である。今日一日同じ様に行動したのだが、一人一人多少なりとも違った日本を感じ取っていた。そして重要な事は、その感じ取ったものを互いに言葉に発し発表する事により、またより多くの事を学ぶ事ができるのだと、彼らに教えられた。又、外国から日本という国を見た時には、この様に写るものなのかと思える意見もあり、文化・習慣の違い等を感じる事ができ、客観的に日本という国を見つめ直すいい機会となった。酒を交わしながら言葉を交わす中で、言葉の壁は、とても厚く感じられたが、言葉の壁を越えて通じ合える不思議なものがそこにはあった。
 あくる日、萩市内にある、吉田松陰ゆかりの地を見て回った。彼が、28歳の短い生涯の中で、行なった事を学んでいるうちに、自分のこれまでの人生について考えると、今までいかに自分がもったいない時間の使い方をしてきたかを痛感した。又、これからの人生について自分は、どのように生きるべきなのかを考えさせられた。
 その日の午後、機会の学塾の塾生は、次の目的地である神戸へ行く為、小郡駅へ向かった。
 今回は、2日間の交流だったが、別れの時にはとてもなごり惜しく、駅に向かうバスの中ではお互いの、住所やメールアドレスの交換などをしながら、この2日間の思い出、また感想の言葉を口にしていた。
 又、7期生が卒塾する前に、釜山を訪問する事を約束して別れた。
平成13年9月
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