ホームステイを通して

                                     松尾 聡子(17歳)

 7月29日から8月4日の一週間、韓国の釜山を訪問しました。韓国にいく前、この一週間は長いだろうと思っていました。しかし、この一週間は、今まで生きてきた中で、一番速く時が過ちました。釜山空港についたら、「歓迎」と書いてある横断幕が目に飛び込んできました。こんな横断幕で私たちを歓迎してくれるとは…。私は、ここで一気に不安が飛んでいきました。そしてここからは、韓国の人たちの気遣いや優しさに圧倒されるばかりでした。ホームステイ先に行くときにさりげなく荷物を運んでくれたり、中に入るときいつも先に入らせてくれたり、そしてバスの席を窓側に座らせてくれたりと、書ききれないくらい気遣いが素晴らしいと思いました。始めは、緊張や照れがあって、思うように会話が弾みませんでした。そして、もっとも困難な壁、言葉という壁にぶつかってしまいました。相手と、思うように会話ができない、これほど辛く腹立たしいものは有りませんでした。しかし、韓国の人たちと会話がしたいので、日本語・英語・韓国語・そしてジェスチャー交じりの4つの会話方法で、会話をしていきました。そして、どんどん会話が増えていくうちに、向こうの言っていることがすぐわかるようになっていきました。そして、言葉が通じると、「OK!」と笑顔で合図し合いました。私は、この瞬間がとても嬉しかったです。言葉の違った国どうしで会話ができるのは、不思議な感覚でした。
釜山は、思っていたより大都会で驚きました。伊予三島との違いは、なんと言っても建物の規模でした。東京や大阪のような感じがしました。道も広く、車も多くて渋滞もしばしばでした。あとは、煙突が少なくて、空気がきれいでした。そして、日本と同じだという印象が残っているのは、古墳博物館です。国が違えば、古墳から発掘された土器も違うだろうと思っていたのに、日本と同じようなものが発掘されていて、驚きました。展示されているのを見ても、日本のものとよく似ていました。韓国と日本は、大昔から何か、関わりがあったのだろうか。日本人と韓国人の違いは、言葉だけであって思っていることはよく似ていると感じました。年の近い人たちととても仲良くなり、会話をしていくうちに、このことに気付きました。韓国の高校生も日本と同じで、ファッションの話・TVの話・そして恋の話などの会話が多かったです。すごく会話が弾んで楽しかったです。食べ物は辛かったけど、とてもおいしく、「メウ・マシッソョ」の連発でした。その中でも、ブルゴーキーと海苔がとてもおいしかったです。私は、日本に帰る3日ぐらい前からこのまま時間がとまって欲しいと思っていました。それくらい、韓国がよかったからです。懇親会で、私がお礼の言葉を韓国語で言ったとき、全然練習する時間がなくて下手な韓国語だったのに、みんなうなづいてくれたし、読み終わった後、言っていることが伝わったと言ってくれて、胸がつまる思いでした。そして、韓国の歌を歌ったときみんなが一緒に歌ってくれて、本当に嬉しかったです。そして、韓国の友達が歌を歌ってくれたときは、韓国に来て言葉の壁を乗り越えたこと、たくさんの友達と仲良くなれたこと、そして何といっても韓国の人たちと別れることが辛くて、涙が止まりませんでした。日本に帰るとき、天候が悪かったので、飛行機が飛ばなかったらあと1日韓国に居られるのにと思ったくらいです。
 私は、韓国に行けて本当によかったと思いました。自分自身の中で、何かが変わったというか強くなれた気がします。ホーム・ステイ先の人・企画者・通訳・運転してくれた人、そして韓国の方々への感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。これから先、メールや手紙のやり取りを続けて、一生の友達になりたいです。そして、ホームステイをさせていただいた家族の人みんなで、私たちの町を訪れて欲しいです。
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