韓国の友達
                                                 榊田 晃太 (12歳)
                                                     泰大 (10歳)

 この夏、歴史教科書問題で騒がれている中、僕の家に韓国から二人の小学生がホームステイにやって来ました。テヨンとヒョンヨンという兄弟です。
 二人がやって来る日、僕たちは、ワクワクしながら四国政経塾に迎えに行きました。最初は、言葉が全くわからず、どうなることかと不安で、韓国語のできる人に通訳を頼んだりしました。僕たちも実は、韓国語の本を買ってはいたのですが、実際にわかる言葉は「アニョハセヨ」ぐらいなものでした。
 食事がすんで、二人を客室ではなく僕たちの部屋に案内しました。仲良くなりたかったから、できるだけ一緒の時を過ごしたかったのです。僕たちには、幸いゲームやマンガという共通の趣味もありました。テヨンは、「生物観察」が趣味だと書いていましたので、二人が来た時から、いつかカブトムシを採りに連れて行ってあげようかと考えていました。セミ採りもしたり。二人が住んでいる釜山は、都会だと聞いていたので、この自然豊かな僕たちの町・土居町で、いろんな所に連れて行ってあげたいと思っていました。しかし、昼間は皆で出かけるので、僕たちだけの時間は余りありませんでした。それでも、カブトムシを採りには、5回・海には2回行きました。夕方の海は、静かで広くて、夕日が美しく、とても気に入ったようで、何度も泳ぐジェスチャーをして「スイム」と言い、海へ行こうと誘ってきました。皆でパンツで泳いだ海の思いでは、消えることはないでしょう。
 帰りに空港で、テヨンは泣いていました。僕もそこまで涙が出ていましたが、僕が泣けば、テヨンたちがよけい悲しくなると思い、ぐっと我慢しました。別れの時は、本当に悲しかったです。彼らが帰ってからも、よく二人のことを思い出します。
 このホームステイを通して、たとえ言葉が通じなくても心は通じ合えるということを体験しました。僕たちは、心と心で友達になれました。
 日本と韓国は、いろいろ難しい問題があるようですが、僕たちは、ずっとずっと友達です。


                                                     平成13年8月
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