第 194 号
松下政経塾「一日研修」
 今回、私にとっては、憧れの松下政経塾に行くことになり、前日から、わくわくした、胸の高鳴りがありました。

 松下政経塾ができたのが、今から丁度30年前、私が27歳の時です。その頃私は、ニュースで知り『わぁ、俺も応募してみたいなぁ』と心から思っていました。でも当然、現実はそんなに甘いものではありません。夢の中の世界に納めるしかありませんでした。(因みに、現在でも毎年300名くらいの応募者があって、採用は、5名程度との事です)
 あれから30年、入塾ではないけれど1日研修だけでも、ここで現実に勉強ができることに夢がかなえられた思いで、松下政経塾の門をくぐりました。
 会場に入ってみると、ほとんど全員20代の若者たちで、皆、これから、私が、30年前に夢見た思いと同じような気持ちで、私と違うところは、夢ではなく、現実の問題としてできることならば、ここで勉強してみたいと願い行動した、若者たちだろうなぁと思いながら、見ていました。
 まず始めに、松下幸之助塾主の、90才の時のビデオが流されました。さすがに90歳ともなると声に張りがなくなっているとはいえ、一言一言に重みと、説得力は、ズシッと伝わり言葉の全てを記録しておきたい気持ちになりました。
 その中でも、もっとも強烈に残ったのは『政経塾は、宮本武蔵のような、名人政治家を作りたいのや』と言われていたことです。
 ただの学歴や、家柄がいいだけでなく一から叩き上げ、長い間の体験に裏づけされた名人と言う意味だろか?
 続いて、現役塾生の北川氏の講演があり入塾の動機、塾での生活、そうして今取り組んでいる活動テーマについての発表がありました。
 さすがに松下政経塾の生徒だけあって、まだ2年目とはいえ堂々として、自信満々の発表でした。その後、昼食をはさみ、政経塾28期卒業の松戸市市議会議員 山中氏の講演になり、市の財政難の中にあって、四苦八苦しながら、自治体改革に取り組んでいる話を聞きました。

 最後は、政経塾3期卒業の古山塾頭の講演です。塾頭は、始めに、質問を受ける形式で、講演されました。
 四国政経塾からも大和田塾頭より、他の地域での活動状況についての質問を、又、石川事務局長より、松下幸之助氏が、大切にしていた言葉の中の『素直』についての奥に潜む意味について質問されました。

 古山塾頭曰く、松下政経塾の根本精神は
  @ 教えないこと・・・自習自得
  A 自ら気づけ・・・自ら悟れ
  B 自ら、体験して、自ら学ぶ

 と言うことでした。こうして伺ってみると、全て、自らと言うことであり、なんとも厳しい道だなと思いました。全て、自分の心掛け次第自分の向上心のみで、全て決まると言うことですから、釈迦の自力本願の教えにも似た考え方なのかなとも思いました。『100聞100見は、1験にしかず』と言う諺も興味を持って、聞きました。身をもっての体験こそ何にも増して重いものはない、行動の大切さを今一度教えられました。

 今回、松下政経塾を訪問して感じたことは、ここで学ぶと言うことは、いかに強い志を持っていなければいけないか。全ての勉強が、自習自得から始まる限りこの志が、なければ3年間は、務まらないだろうし自分で学べとは、最も厳しい教えのように思います。

 私も四国政経塾において、これからも大きな志と行動力をもってこれからも学んでいかなければと強く感じた1日でした。
平成22年3月20日
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