第 2 号
四国政経塾体験談の想い
 高校時代に日本の歴史に興味を持ちはじめた私は、釜山の東西大学の日本文学科に入学、歴史や文化に接することができました。卒業後、翰林日本語学校に入社。そこで生徒達を指導していくうち、自分の力不足を感じ、じかに日本文化に触れてみたいと思うようになりました。私が属しているボランティア団体「機会の学塾」で日本との交流の際には進んで通訳やガイドなどの手伝いをしていましたが、その時に姉妹関係にある日本のボランティア団体「四国政経塾」の力添えで、今年4月始から愛媛県伊予三島市にある製紙会社に勤めることになりました。韓国との取引上の通訳や翻訳、書類の手続き、企画、作成など、いろいろな仕事に従事しながら、日本の社会を学んできました。仕事以外にも、四国政経塾や市役所の国際交流課の方々の要求を受け、協力を頂いて、初の韓国語講座や小学生対象のサマースクールなどを聞きました。「機会の学塾」と「四国政経塾」主催の韓国トラスト舞踊団の愛媛公演では、通訳が言葉以外にも人間関係の潤滑油としての役割をも必要とされることを学びました。又、積極に沢山の人達と接したいと思い、各種のセミナーや伝統芸能の行事に参加し自分の世界が広がったように感じています。
 このような様々な貴重な体験の中でも、その中で特に私の心を動かしたのは韓日青少年交流です。今年は日本の子供達が韓国を訪問、ホームステイをして釜山を見学しましたが、このとき、通訳を兼ねて引率のお世話をいたしました。全く言葉も通じない子供達が言葉の壁を乗り越えて互いに一生懸命意思疎通を図りながら国境を越えた友情で結ばれ、一週間後のお別れパーティーでは別れを惜しんで涙を流すのです。この感動と充実感。他に何が必要でしょうか。これを契機に、国際交流の重要性に気付き、自分の将来に対する希望が湧いてきました。こういう活動を通して自分が少しでも役に立ちたいという気持ちになり、真剣にこの仕事に就きたいと思いました。
 私は以前から人と関わる仕事が大好きでした。しかし、今までこれまでの経験の中で人と人とのつながりの大切さと難しさを痛感しています。相手を思いやる心で結ばれた真の友情と偏見や利害関係の上に作られる上辺の友情のギャップで悩んだこともありました。私の経験では日本人には、大別して四種類の人がいると思います。
  @韓国 (外国) 人に対して好意を持ち、興味を持ってくれる人。
  A韓国 (外国) 人に対して好意を持つが、興味のない人。
  B韓国 (外国) 人に対して好意を持たないが、興味は持っている人。
  C韓国 (外国) 人に対して好意も興味も持たない人。
 私の接した日本人のほとんどはABの人だったと思います。けれども、韓国人である私と話をしたり、交流を深めたりしていく中で、韓国に対し、多少なりとも興味を持ち始めてくれる人が少数ですが出てきました。韓国人の話には耳を傾けてくれますし、南北首脳会談の時や、離散家族が再会した時には「良かったね」と一緒に喜んでくれたのです。又、失敗してとても落ち込み、見ず知らずの人との交流に臆病になった私を励ましてくれたのは、父母や韓国の友人ではなく、日本で知り合った人達です。日本の諺に「遠くの親戚より近くの他人」という言葉がありますが、まさにその通りです。いろいろな所でいろいろな形での交流がありますが、私はABCの人達に少しでも韓国に興味を持ってもらい、理解してもらいながら真の友情を築いていきたいと思います。
 国際交流員はその努力次第で市民に与える影響や国の理解は違ってきます。市民の期待も大きく、奥の深い仕事です。どんな人でも積極的に、社交的に、豊富な話題で近づいていかなければなりません。その為には、私自身がまだまだ沢山の勉強が必要ですし、努力もしなければならないと思っています。又、私は日本に滞在中、最初は日本のことを吸収するだけで精一杯だったのですが、今は母国のことを知らないと駄目だとつくづくと感じています。一般的な知識を伝えるのも重要ですが、母国に関してしっかり自分の考えを持って話さなければ、韓国をきちんと紹介することができないのです。そのために、改めて母国の風土や歴史や経済や芸術など勉強をしていますが、特に、伝統文化は大変興味を持っています。そして、こういう勉強は日本のその分野の理解にもきっと役に立つと思うのです。
 もし、国際交流員の一員になりましたら、今までの経験を生かして国境を越えた真の友情を築いていくお手伝いをしたいと思っています。いろいろな人と触れ合い、いろいろな話題で討論をして、韓国のことを伝えていきたいと思っています。そのために、韓国の映画上映会、韓国の写真展覧会、韓国語講座のホームページの作成、歴史旅行などを通じて、韓国の文化を伝えていきたいと思います。もしできることならば、韓国と日本の姉妹都市や姉妹校の堤携、中高生を中心としたホームステイ事業にも関わっていけたらと夢が広がっています。自分の知識や経験をフルに活用し、そして、いろいろな人にアドバイスしていただき、協力しながら仕事をしていきたいと思っています。そして、充実した生活の中で、新たな自分を発見したいと思います。
平成12年12月
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