第 200 号
「しまの大学」開校式に参加して
 平成23424日(日)に上島町弓削体育館を会場として「しまの大学」開校式が開催され出席させていただきました。
 「しまの大学」とは、特定非営利活動法人(代表理事 村上律子さん)で、日本財団の助成を受けて運営する地域活性化プロジョクトです。少子高齢化・産業空洞化などで疲弊する小さな地方の地域課題を、地域内の人や資源のみで解決しようとするのではなく、他地方都心住民の意見や企業の資源等、地域内外の知恵や力を組み合わせコラボレーションすることによって解決を図る新しい地域課題解決の仕組みです。
 松下政経塾を経て弓削島で島民の協働による地域の自立を図ろうと、島民の島民による島民のための会社「株式会社しまの会社」を立ち上げた代表取締役の兼頭一司さんと、愛媛県を中心に消費者の声を集めて商品開発やPRサービスを展開している「株式会社ゼロコレクティブ」代表取締役白川 誉さんが共同企画をされ、日本財団の支援をいただき「しまの大学」設立に至っています。

       

 式では、兼頭一司さんが震災被害に触れ「小さなことを積み重ね、日本の希望につながる取り組みにしたい」途中感極まって涙ぐみ言葉を詰まらせながらも、凛々しく立派な開校宣言を行いました。学長には東京大学名誉教授の神野直彦さんが就任されており、神野学長は記念講話で『ふるさとは遠くにありて思うもの』ではなく『近くにあって愛するもの』です。と指摘され「地域の良さを知る島の人と学び、人間的な生活をつくり出す第一歩にしたい」と話されました。東京大学名誉教授の肩書からは想像も出来ないユーモアたっぷりのご挨拶で、とてもよく事業のコンセプトが理解できました。
 しまの大学は@香りと癒しの学部(河野 武平先生)A摘み菜学部(平谷けいこ先生)B商品開発学部(特定の講師はおかない。この日は東京在住のアメリカ人トムさん)の3つの学部で構成されます。それぞれの学部の講師がご挨拶をされ、学部の内容についてご紹介いただきましたが、島の資源を活かしてとても気軽に楽しく学べる学部となっています。月一回程の講座を計画されているそうで、机に座って難しい方程式を暗記するような学習とは違い、人の知恵と自然に学び地域活性の鍵を握るヒントが随所に隠されているような、とてもワクワクする講座となっています。受講するためには学生に登録(正会員 年間10,000円・賛助会員 年間5,000円・学生会員 年間500円)すれば、島民に限らず誰でも参加することが出来ます。当日早速正会員へ登録をさせて頂きました。
 松下政経塾を経て誰も知らない島へ家族で移住し、ここまで島民に受け入れられ、日本を元気にしたいとの思いで夢を叶え続ける兼頭さんの行動力には、本当に学ぶべきものが多くあります。今日に至るまでは、色々なご苦労もあったかと思いますが、そんな一面は微塵も感じさせない兼頭さんの人柄ですから、島の人たちにも受け入れられた様に感じました。この企画が全国の過疎に悩む地方の新しいモデルとして小さな一歩を踏み出したことに大きな期待を寄せています。
平成23年4月24日
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