第 227 号
幻 一 木版画・墨彩画「羅漢さん展 」訪問
 平成24年9月21日にギャラリーぼんぼり(姫路市)で開催の、幻 一 木版画・墨彩画「羅漢さん展」(9/20~9/23)を見学しました。
 ギャラリーぼんぼりに着くと幻 一氏が受付に立っておられて、私たちを迎えてくれました。ギャラリー内には、木版画や墨彩画の作品が多数展示されてありました。
 墨彩画で特に印象に残ったのが、羅漢さんが、大盛りのご飯が入った茶碗を両手で持っていて「つねに感謝と満足を」の言葉が書かれている画です。
『絵本・わらべとチャチャの般若心経』と日めくりカレンダー羅漢さんのひとりごと・お地蔵さんのひとりごとの2種類を購入しました。絵本・わらべとチャチャの般若心経は、幻 一氏が分かりやすく般若心経を訳しています。表情豊かな羅漢さんの絵が描かれているので、子供も大変興味を持ちます。寝るときに子供に読み聞かせています。
 小さい頃からお経に慣れ親しむのも良いかなと思います。幻 一氏の訳を子供に分かるように話すのに難儀しておりますが、これも良い経験と思います。
 日めくりカレンダーは万年日めくりになっています。1日1日言葉を大切に読み、毎月同じ言葉を読みながらも、違う味わいを感じれる人になりたいと思います。

「羅漢さん」とは?
 修行して煩悩を拭い去り、清らかな人格をつくりあげ、人間として本当に価値のある人生を生き抜いてゆくための真実の知慧を完成した聖者を、昔からインドでは「アラハン」と呼びました。人々からの供養を受けるにふさわしい聖者という意味です。中国の仏教者は「阿羅漢」と表現しました。使い慣れているうちに、「阿」がとれて「羅漢」というようになったのです。
 悟りをひらいたお釈迦様は、いわば「らかんさん」の第一号。しかし、お釈迦さまには「仏陀」や「如来」というような尊い呼び方がいろいろあったために、「羅漢」というとお釈迦様のお弟子のことを意味するようになりました。いいかえれば「らかんさん」はお坊さんの第一期生、はるかな大先輩です。「らかんさん」は、ほかの多くの仏様と違って生身の人間です。実在していた、お弟子様だった人たちです。

 9月21日の夜に食事をしながら、お話を聞きました。
 学生時代に出会った先生のお陰でさまで、美術を志望した。師匠に出会ったお陰さまで、禅僧になれた。そのお陰で羅漢の画の表現により深みが増した。など、「お陰さま」の言葉が多く聞かれました。
 これほど何事にもお陰さまと言う方と、初めて出会い衝撃でした。

「こころの森」の理想・・・「人生楽しく」をテーマに日本の和みの文化を世界に、次世代に伝えるという理想をもとに、『こころの森美術館』を中心に、芸術村、医療・福祉村、工芸村の3つの村から構成されます。
「こころの森」について熱心に語ってくれました。集いの場を中心に、学び・癒し・楽しみの場があります。このコミュニティは、人の営みに最も必要なことが揃っていると思います。このコミュニティの実現に少しでも、参加・協力したいと思いました。

        

 食事会が終わってホテルに帰る途中で、酔って苦しそうに座り込んでいる20代の男性を見かけました。すると、塾頭が彼に近寄り背中を擦りながら「兄ちゃん、大丈夫か?飲みすぎたか?」と声を掛けました。彼は、よほどうれしかったのでしょう何度も「ありがとう。ありがとう」と応えました。「兄ちゃん、気をつけて帰りよ」とその場を後にした私たちですが、道に迷ってしまいました。方向音痴の3人が「あっち。いや、こっち」と言ってると、1人の若い女性が歩いて来たので道を尋ねると「一緒に行ってあげる」と先導してくれました。実は彼女は友人の家から自宅へ帰る途中で、付近に詳しくはなかったのですが「愛媛からきたお客さんをホテルに送り届けな、姫路っ子の名がすたる」と、友人に電話で道を聞きながら、30分くらい歩いてホテルに帰り着きました。ちなみに彼女の名は“命(みこと)”さん、何やら縁を感じます。命さん、ありがとうございました。

 今の世の中、このように人のために一緒になって動いてくれる人が、どのくらいいるでしょうか? 幻 一氏との出会い、塾頭のやさしさが、彼女との出会いを導いてくれたのだと思います。
 塾頭のようにさりげなく声をかけること、命さんのように快く人の為に動いてくれる人が、昔は多くいたと思います。人として当たり前のことが、できなくなっている世の中だなと強く感じました。
 人として当たり前の行動が自然にできるようになりたいです。今日の人との出会い、行動との出会いに“ありがとう”。
平成24年9月22日
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