第 246 号
四国政経塾“事務局退任にあたって”
 平成24年6月1日から8ヶ月、四国政経塾の事務局として入塾しました。

 私の任された主なことは、①支援企業様へ定期的に訪問し、困り事がないか、お手伝い(協力)できることはないかなどを尋ねて、解決に向けてお手伝いすること。②四国政経塾の趣旨に賛同していただき、支援していただく企業様の発掘を行うこと。そして支援のお礼として、その企業様のホームページを作成させていただくことのPRを行うことでした。
 支援企業様を訪問すると「四国政経塾さん、塾頭さんは元気ですか?」と好意的に接してくれるところもあり、また「今日は、何の用?」という雰囲気で訪問するのに気が重いところもありました。

 各支援企業様を3回周った頃、塾頭に定期的に訪問することが難しいと話したところ「どんな風に訪問してる?」との問いが返ってきました。「名刺を出して挨拶するのみで、支援企業様から特に何もないからと、終わるところが多いです」そう答えると「それでは、基本がなってないな。まずは、氏姓名を名乗り、それから用件を端的にはっきりと伝えること」と、教えていただきました。
 それからは、訪問し辛い企業様を訪ねるときの気重さが、ほとんど無くなりました。受付で「おはようございます(こんにちは)私、四国政経塾の石村と申します。本日は○○~の用件で、支援企業様を1件1件、お伺いしております。会長様(社長様、大将)いらっしゃいますか・・・」ご本人様にも同様のお話から始めると、“あいさつ→氏姓名を名乗る→用件を伝える→話に入る”という訪問から訊くまでの流れが出来て、スムーズにいくことが増えました。また、何処へお伺いしても、この基本を軸に進めるとスムーズに進むことが増えました。
 もちろん、この実践だけでは話が膨らみません。どんなことにも興味を持って、広く浅くいろんなことを知っておくことで、誰とでも話が出来ることも塾頭より教わりました。
 訪問の基本、誰とでも話ができる自分作りを教わり、気軽に訪問できるようになりました。まだまだ、自分の興味分野でしか会話が続きませんが、誰とでも会話が膨らむように、いろんなことに興味を持って勉強しようと思います。これが、万事研修ということだと思います。

 松下幸之助氏、松下政経塾の名は知っていたが、松下幸之助氏の教えに直接触れたのは、入塾してからです。以前は、いろんな方面から周り回って間接的に聞いたことも中にはありますが、これほど真に迫ったのは初めてです。というより、入塾していなければ直接触れることはなかっただろうと思います。
 入塾前は行動を起こすことが遅かったと思います。行動といっても、自分の事についての行動がほとんどでした。また、自分の意見を文章にするのが苦手でした。しかし、入塾して毎週水曜日の勉強会、月に1回の偉人館巡りに参加して、少しは行動できるようになったように感じます。自分の事だけでなく、公のことにも行動しようという考えが起きるようになりました。偉人館巡りの感想文を書くときに、塾頭より「きれいな文章を書くのではなく、自分の思ったことを素直に文章にすればいい。文法がどうとか、誤字脱字がどうとかを考えずに、まず自分の想いを自分の言葉で書けばいい。」と教わってから、肩の力が抜けて段々と想った事を自由に掛けるようになってきているように思います。まずは、想いが伝わる内容そして文章から始めればいい。想いが詰まった文章なら、誤字脱字や文章の下手はカバーできるはず。作文の試験ではない。誰かに伝えるための文章なのだから。
 行動、知識、文章・・・三位一体がベストであろうが、知識がないから動けないのではなく、行動と文章でベターではないかと思うようになった。Good , better でもまず行動。行動すれば文章で伝える。知識も身につけながら、これらを繰り返すと、地域が変わるのではないかと思えるようになってきました。
 入塾してから、縁があり様々な人たちと知り合うことが出来ました。これまで、そしてその延長では、到底お会いすることがなかったであろう方々。政治家様や様々な業種の社長様や大将。いろんな方のお話を聞いて気付くこと、勉強になることばかりです。少しずつ成長できているような感じがして、嬉しく楽しく過ごせる日が、格段に増えています。
 塾頭がフェイスブックをされているのを知り、面白そうだなと思い始めてみると、これが楽しくはまっています。いろんな方とお友達になれて、投稿を読むことで勇気づけられたり、笑えたり、微笑ましかったり、参考にさせてもらったり、・・・こちらでも友達の友達と繋がり、お顔や声だけを知っている方あるいは、全く見知らぬ方とも繋がりを楽しんでいます。

 ある土曜日、四国中央市社会福祉協議会主催の「日本一無口な講演会」~ありがとうのお話~で、たけさんこと、河村武明さん(2001年10月に突然、脳梗塞で倒れ、48時間後に救出されたものの、言語障がい、聴覚障がい、右手麻痺、失語症の重い後遺症が残る)と出会うことができ、感謝することの大切さを実践で教わりました。感謝の大切さは日頃、塾頭からも聞いておりましたが、たくさんの具体例をもとにお話を聞いて、ありがとうのパワーを、なるほどと思いました。その後、まだまだですが、以前より感謝できるようになったと感じています。
 講演会の内容ですが、苦しい時こそ、ありがとうとか、ピンチのときこそ、ありがとうとか・・・。とにかく、ありがとうが多くでてきます。ありがとうの最上級は、「ありがとうございます」のお話や、障がいを与えられたからこそ、ありがとうが分かったなど、ありがとうについて、いろいろ聴かせてもらいました。たけさんの言葉を一つ紹介します。「何があっても=ありがとう、何がなくても=ありがとう」

 まずは自分を変え、そのことで家族が変わり、周りが変わる。そうなるように、日々修行。万事研修でいこうと思います。
 事務局を退任しましたが、塾生として再出発させていただいております。今後も勉強会や偉人館巡りに参加して、行動力、知恵、知識、伝える力、調和などなどを学習していこうと思います。これからも心に「政経塾の精神」や「そこまでやるか」をしっかり持ち、一歩ずつ前に進みます。
 この場をお借り致しまして、勝手を申しました私に、ご配慮いただきました、塾頭、事務局の皆様、ありがとうございます。塾生として再出発の道、引き続き一緒に人づくりの学習をする機会を、いただきまして誠にありがとうございます。
 勝手をしましてご迷惑をおかけしましたことへの報いは、今後の歩みでお返しをしていきたいと思います。四国政経塾の関係の皆様と、よりよい地域、よりよい国づくりに向け、学習・行動に努めます。
平成25年2月28日
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