第 283 号
賀川豊彦記念館訪問
 恥ずかしながら、今回偉人館巡りで賀川豊彦記念館を訪問するまで私は、賀川豊彦と言う人物のことをまったく知りませんでした。徳島にドイツ館というものがあるのは知っていましたが、四国が生んだ偉人 賀川豊彦の足跡を展示する記念館が併設されていることも全く知りませんでした。
 その賀川豊彦がノーベル平和賞の候補に何度もなっていること。私でも知っている 日本社会党、全国農業協同組合、コープこうべ、労働金庫など、その他多数の民衆の生活向上のための多岐にわたる事業の立ち上げ、発展に関与していたことについても初めて知り、たいへん驚きました。学生時代 近代日本史についてなにを習っていたのか、恥ずかしく、思いました。
 今回、賀川豊彦記念館の展示を見て賀川豊彦が様々な運動、事業を次々に行っていったことについて、その活動エネルギー、貧民を助けたいというエネルギーには本当に感心するところです。結核という当時としては不治の病と思われる病気を克服し、また日本国内、国外を問わずこれだけの活動ができたのか信じられない感じがします。 よほどの使命感、信念がなければできない活動内容です。郷土の偉人のレベルならば賀川豊彦の功績の2から3個の功績で市内に銅像が建ってしまうのではないかと思ってしまいます。
 また賀川豊彦がリーダーとしてそのような活動ができたのは、その才能とその学習姿勢にあるのではないかと、自分は思ってしまいます。賀川豊彦の場合は、国内外各学校での机上の学問ではなく、救済活動、スラム街での実践などあらゆる実践活動がともなっています。その様なところが人を引きつけ多くの事業のリーダーと、させたのだろうと私は思います。それと、あらゆる面でたぐいまれな才能があったことは間違いないと思います。あれだけの活動をしながらあれほどの執筆活動をしていることが超人的です。現在と違いゴーストライターもいない時代にあれほどの執筆をして、またそれが幾つもその時代のベストセラーになるとは努力家であるとは思いますが、たぐいまれな才能があったことは間違いないと思います。しかし、今回この賀川豊彦記念館を訪れ、賀川豊彦の宗教・経済・政治・文学の多岐にわたる功績を知りましたが、あまりにも多岐にわたりすぎて、凡人の自分には少し焦点がボケてしまって入り込めないところが残念ながらすこしありました。 確かに貧民のためにという基本の思想は感じますがこの功績の多さがかえって現代への賀川豊彦の功績の伝達としては印象をうすくしているのではないかと思ってしまいます。

 最後にこれだけ多才で活動的な人物を支えた人物についても感心を持ちます。本当に大変だったと思います。相当にこの賀川豊彦に惚れ込み信じて無ければ支えきれなっただろうし、賀川自身もこれほどの活動はできなかったのではないかと思えます。その賀川豊彦の奥様の賀川ハルを主人公に自伝的小説「死線を越えて」が映画かされているそうです。黒木瞳さんが賀川ハルさんを演じているそうなので、是非さがして観てみたいと思っています。
平成26年9月20日
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