第 305 号
坂の上の雲ミュージアム
はじめに
 今回、私たちは愛媛県松山市にある坂の上の雲ミュージアムに行った。そこで明治の偉人達に学び、彼らの足跡を追った。

坂の上の雲ミュージアム
 このミュージアムは、松山市全体を明治のミュージアムとして活性化させる象徴的施設として建設された。
 今回、私は入館は初めてである。学生時代には、小説「坂の上雲」を読破し、秋山好古・真之兄弟、正岡子規らを尊敬し、改めて自分が松山というところで生まれ育ったことを誇りに思うことが出来た。私は今回の入館を大いに期待し、楽しみにしていた。
 ところがである。そこで登場されている偉人は、全て明治時代の松山人というくくりにされていて、個々人の足跡が良く分からない。ポイントを絞った展示がなされていないため、何がいいたいのかも良く分からない。最も、私は小説を読んでいたので展示物の内容は理解出来た。これが何も知らない観光客なら、心に残った入館とはならないはずである。秋山好古・真之兄弟しかり、正岡子規しかりである。
 数年前に、某テレビ局の朝のワイドショーでこの坂の上の雲ミュージアムが取り上げられていた。その時、取材に来た舌ぽう鋭いリポーターに突っ込まれ、大して反論出来ず、オロオロする松山市の担当職員が全国放送されるという失態があった。そのリポーターも言っていた。「観光のためとはいえ、あまり大したことはないですね。行政が巨額の予算を使っている割には無駄なことをやっているように感じますが?」また、「本当にリピーターの観光客はいらっしゃるんですか?」等々。私も観光客として、否、学びに来た塾生として同じように心配になった。ちょうど、そんなリポーターのことを思い出した。
 それから私たちは退館し、解散となった。私は車に戻るまで、このミュージアムの事を考えて見た。はじめての観光客なら満足してもらえるのだろう。しかし、リピーターになってもらえるとまでは難しいのではないだろうか。
 だだ素直に感動出来た事は、明治時代の松山の写真や古地図がいくつも展示されていた事である。この点は良かったと思った。もし、私が松山市長にでもなれば、直ぐにこのミュージアムの改善をやって見たい。そんな事を考えながら、車のエンジンをかけた。
平成29年2月10日
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