第 77 号
地域主催フォーラムに参加して
 平成18年2月11日(土)兵庫県加古川市商工会議所におきまして、松下政経塾24期生である前川桂恵三氏による「地域主権フォーラム」が『新しい地域と公共の経営〜加古川から未来を考える〜』と題して開催され参加させていただきました。

 このフォーラムの趣旨は、国・地方ともに財政再建が大きな課題となっているなか、地域主権型国家への転換が叫ばれており、市町村合併や道州制の動きが進む中、国と地方の役割分担がなされた国家への変革に加えて、「生産性の高い政治、効率的な行政」を現実のものとするためには、成熟社会における市民や企業が、行政とともに地域の経営に責任を持って関わっていかなければならない。これからの新しい地域と公共の経営について、政治、行政、企業、市民といった基調発表を踏まえて、皆様とともに考える機会を持ちたいということであります。

 現在の日本は国債の年間発行額が30兆円を超えており、すでに国家財政は債務超過に陥り、国と地方を合わせた借金残高は700兆円とも言われております。また、歳出のうちの国債費は15兆円を超えており、まさに毎年借りたお金の約半分を借金返済に回している状態です。そして、毎年の税収は約50兆円である上に歳出は80兆円と、とてもつらい状況です。これを一般家庭に換算するならば、年収が500万円しかないのに、800万円の支出をし差額の300万円を毎年借りている状態であり、総額で7000万円の借金を抱えていることになります。さらに、毎年の新規借入れのうちの半分は、借金の返済分を借金で埋め合わせしている状況で、一般家庭なら自己破産せざるを得ないのが現状ではないでしょうか?!このような状況だからこそ、公共の場においても経営概念が必至となってくるのでしょう。今回のフォーラムは正しく現在のそして今後の日本における重要な課題であると改めて考えさせられました。
 フォーラムでは先ず、松下政経塾の関塾長よりご挨拶があり、今一度行動の大切さ痛感いたしました。その後、政治・行政・企業・民間の立場からそれぞれ問題提起と基調報告がなされ、それぞれの方々がパネラーとなりパネルディスカションによる意見交換が行われました。会場は100名を超える参加者で一杯となり大変盛況でした。全体的に時間不足の感が歪めませんでしたが、大変興味深い内容であったと思います。

 フォーラムの後に開催された懇親会にも参加させていただきました。本塾であります松下政経塾の関塾長ともお会い出来ましたし塾生をはじめ様々な分野の方々と貴重なお話をすることができ、大変有意義な時間となりました。前川氏のお話によりますと卒塾に当たって、塾生はそれぞれの研究テーマの発表をしなければならないとのことで、今回のフォーラムはその一環であるとのことでした。これだけのフォーラムを開催された松下政経塾の前川氏には、企画立案から準備に至るまで、大変ご苦労なされたここと思います。フォーラムのご盛会をお喜び申しあげ、敬意を表します。


 私ども四国政経塾は松下政経塾の地域版とでも言いましょうか、取り組む視点や考え方は同じであることを再認識できました。本塾との接点も生まれ、今後これを機会にお互いが協力し合うことが出来ればと思います。加古川でお会いできました全ての方々に感謝申し上げ、今後とも共に地域は違っても、同じ日本をよくするための活動に、それぞれの立場で関わって行く事を誓いたいと思います。
平成18年2月11日
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