「日に新たな生成発展」


 指導者は世の中の動きというものを敏感に察知し、刻々に新しい指導理念を生み出し、それに基づいた適切な方策を講じていくことが大切である。そのためには、やはり自ら、日に新たであるよう心がけなくてはならないだろう。過去の考え方、これまでのやり方にとらわれることなく、日に新たな観点に立ってものを考え、ことをなしていく、それが指導者として欠かすことのできない大切な要件である。」『指導者の条件』(中国の古典である四書、『大学』には「まことに日に新たなり。日々に新たなり。また日に新たなり。」とあり、これは殷王朝を開いた湯王の洗面器に彫ってあった言葉です)
 松下幸之助塾長(当時)から、時々、場合によっては夜遅く、電話がはいったそうです。あるとき「何か変わったことはないか」と尋ねられたので、「特に変わったことはありません」と応えると、「変わったことがないとはどういうことだ。一日有れば何でも必ず変わる。木一本でも、日々生成発展する。変わったことがないとはどういうことだ。」と強く叱られたそうです。
 その場に常時いられない総責任者とすれば、どんな些細なことでも何かあれば報告してもらいたいと思うことは当然です。そして、松下幸之助塾主の自然観、人間観の中心命題である「万物は絶えず生成発展する」よって、「日に新たな生成発展」を目指さなければならないということを当時の現場責任者に強く教え諭そうとしたのだと思います。「古山塾頭記事引用」
 我々は日々この様な気持ちで生活をしているか、一度立ち止まって考えて見ては如何でしょうか、何も考えず会社に行き、与えられた仕事を済まし、其れで良いと思って居ないですか、又、経営者も売り上げの数字だけを見て、一喜一憂していないでしょうか、多くの社員は会社にさえ行けば、一定の収入が入るからそれ以上の欲望が無い、皆さんは此の部類に入って無いでしょうか。
 日々何事も違う視点から、自分の仕事を(私生活)を見て、より良い手段を考え、「日々新たな生成発展」を目指さし、行動を起こし、自分を高めて見ては如何でしょうか。

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