"地域から日本を変える"四国への期待

 4月28日、高知県の阪急ホテルにおいて、四国政経塾高知講演会が行われた。まず初めに、塾長の橋本さんより、高知県の現状について次の様な話があった。"高知県というのは、四国4県の中でも、工場出荷額を見てもわかるように(愛媛34,000億円、香川24,000億円、徳島14,000億円、高知 6,400億円)かなり立ち遅れている。今のままではいけない。県民全員で努力しなければならない。そして、他の3県と互いに協調していきながら、四国全体を高めていきたい。そのためには、自分は次にどういうことをしなければならないのか、何が出来るのかということを考え直す必要がある"とのべた。
 次に、京都政経塾塾頭の甲斐さんより、故松下幸之助の話、また松下政経塾や京都政経塾の話があった。松下幸之助氏は、生前「自分は人生90年生きてきたけれども、これからの
20年の方がおもしろい」と言われたそうだ。これからの20年というのは、大混乱期に入り、政治、社会の基盤が崩れ、不安定になるというのだ。実際に、外国為替市場では円高の勢いが止まらず、一時は1ドル80円前後まで進んだり、今まで絶対的な力を持っていた自民党が総選挙で敗れ、連立政権が発足したといった。今まで予想もつかなかったことが、次々と起こっている。このような混乱期だからこそ真の政治を行っていかなければならないという、松下幸之助氏の強い志から出て来た言葉だと思う。
 もともと、松下幸之助氏が松下政経塾を開校したのは、政治・社会という土台が揺らぐと、その上に成り立っている経営は、一瞬のうちに崩れてしまうと思ったからだそうだ。経営というものは、政治や社会が安定してこそ成り立つもので、これからの経営を考える中で、普通の人ならば自社の内部の改善とか、関連会社などにしか目がいかないようなものを、松下幸之助氏は、それらを飛び越えて、経営の基盤である政治・社会というものまでにも目を向けたのである。
 松下政経塾では、常勤講師をとらず、自修自得の精神で運営されている。常任講師をおくと、その枠を越えることが出来ない。むしろ塾生は、自分自身で志を持ち、自分で仕事を見つけ、自分で行動することを求められる。また松下政経塾で絶対にしなければならないのは朝早く起きることと、掃除をすることだそうです。自分の身の回りを良くすることの出来ない人に、日本の政治を良くすることなど、とても出来ないという考えからきている。松下政経塾は、塾主松下幸之助の人生哲学そのものだと思う。
 最後に、その松下政経塾第一期生であり、現衆議院議員である小野晋也先生より現在の政治の荒廃ぶりや新しい "モノサシ" の必要性、また四国政経塾の説明があった。現在の政治は、東京の信用組合の問題や、神戸沖地震の時の対応の遅れなど、今までの政治・社会の根底そのものが悪くなっている。今まで十分に役立っていた"モノサシ"が使えなくなっているのだから、新しい"モノサシ"を作るといった形の真の政治改革が必要だという話であった。そして、四国政経塾創設の考えとして、まず出会いが必要である。そして、映え合うこと(お互いが個性を持ちながら全体として大きな力が発揮出来ること)、そして、響き合うこと(お互いが調和し合うこと、それにより全体としての方向性も打ち出せることになる)が必要だという話があった。
 最後に、アメリカのケネディ大統領の「老いたるものは夢を見よ、若きものはビジョンを描け、夢、ビジョンのない所、人々は滅ぶ」という言葉を引用し、みんなが力を合わせて、四国政経塾が成功することを願って、講演が終わった。
 私自身、この四国政経塾の高松講演会、高知講演会に出席して、故松下幸之助氏の偉大さ、また、その考えを受け継いでいる松下政経塾の上甲さん、京都政経塾の甲斐さん、小野晋也さんの創見さには驚かされた。この講演を聞いて、私自身まだまだ未熟物であり、政治や社会についてどうこう言うことはできないが自分の日常生活や仕事の面に置き換えても、随分勉強になった。
 今現在、私の仕事でも改革を行っているのだが、まずは、自分自身を変えること(物の価値観を変える、そして大きな志を持つということ)、そして、同じ目標や価値観を持った仲間を作ること、自修自得の精神を持って枠にとらわれないこと、他人の言うことを素直に聞くということ、自分自身も含めて、環境を見直し、今自分には何が出来るのか、何をしなければならないのかを認識すること、そして、松下幸之助氏が話された経営の要諦「雨が降る日に傘をさす」という言葉の中に示された、認識、用意、決断という行程が必要だということなど、日常何気ない行動の中に潜んでいる重要なことや、頭の中で分かっているが実行出来てないことなどを、反省すると共に、再認識させられた。これからも、このような講演会などには、時間の許す限り出席させてもらい、自分自身の志を高めていきたいと思う。
 最後に、こういう講演会を開催して頂いた四国政経塾の方々に深くお礼を申し上げると共に、今後、四国政経塾が成功することを願いたい。
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