韓国「機会の学塾」来日・・・香川県直島町にて研修交流
 平成21年6月9日〜12日の4日間、韓国「機会の学塾」より塾主ユウ・パンスー先生と学塾20期生のパク・ジョンホさん、ソン・ボンギさんの3名の方々が四国へ来日され交流を行いました。
 今回の来日には、機会の学塾と四国政経塾の姉妹関係役割強化・相互交流の方針などについて協議する大きな目的がありました。また、ユウ塾主からの希望で香川県直島町での研修を中心にとのことで、私は都合により同行出来ませんでしたが、事前に宿泊先の選定や見学コースなどを視察に行き、会議資料の準備等慌ただしく事前準備を行いました。私としては前回の訪韓時に、塾方針等で色々と心配事を抱えていたため、随分御心配をお掛けしたこともあって、今回早々の来日となりユウ先生には大変ご負担とご心配をお掛けしたのではと恐縮しております。また、合わせてお忙しいなかを来日くださり感謝の念でいっぱいです。

 さて、初日は空港へお迎えにあがり夕食を一緒に取って塾へとお越し頂きました。塾では以前より韓国語講座を実施している皆さんと意見交換を行いました。それぞれが韓国語で自己紹介や質問を行い、勉強の成果を試していました。皆さん本当に上手にお話をしていてビックリしました。以前は一緒に勉強をしていましたが、スケジュールが中々合わず、我
々はマイペースで自主学習をしておりましたが、皆様の進歩に本当に驚かされました。しかしながら、ユウ先生より難しい表現や文法などより、一つでも多く単語を覚えることから勉強したほうが良いとのご指摘もありました。また歌による勉強も有効であるとのアドバイスもいただき、今後の学習に大いに参考になってのではないでしょうか?!

 2日目は香川県直島町へと向かいました。なぜ直島での研修かと申しますと、ユウ先生がイギリスのカメラマンから直島の地中美術館が素晴らしいから是非一度行ってみるといいとのお話を伺い随分と勧められたそうで、たっての希望により今回の直島での研修となりました。初日は生憎の天候でしたが、自然と人が作り出す造形美が何とも言えない想像力を引き出してくれる不思議な美術館でした。言葉では表現しにくいのですが、皆様も是非一度訪問してみてはいかがでし
ょうか?!海に囲まれた島ですから、やはり夏場のイメージが強いのですが、四季折々の色々なアートが楽しめると思います。また、直島では使わなくなった家を買い取り、家そのものをアートにする「家プロジェクト」も実施されています。ここもなかなか面白い趣向が随所にあって、種を明かしては面白くないと思いますので、こちらへも是非現地に行って立ち寄ってみてはいかがでしょうか?!島内見学を終え夕刻前に宿泊先の「つつじ壮」へ到着しました。
 少し休憩をとった後に、いよいよ今後の両塾関係についての協議に移りました。今後の両塾の課題を検討する上で、一番最初にクリアしなければならない問題が、やはり「言葉の壁」です。今後の取り組みや将来ビジョンを協議する上で、どうしても解決しなければならない課題であり、相互にこの問題については同じ認識をしておりました。次に相互の塾活動の理解不足という問題です。相互の活動状況や内容を十分理解したうえでないと今後共同事業をするうえでも、継続性のある活動を模索することはできません。そして活動資金の問題です。いくら理想的な計画を立ててもそれを実施する運営資金をどのように生み出すか?!は相互に共通した切実な問題です。昨今の世界的景気低迷の中、今後どのような活動をして資金を生み出すか?を検討しなければなりません。今回は以上の3点に的を絞り協議することとなりました。
 先ず最初の言葉の壁をどのように乗り越えるかという課題については、窓口を一本化することからスタートしました。色々な人が代わる代わる情報交換をしていたのでは、なかなか互いの状況を理解することが出来ないからです。そして、そのために語学を身につけることを目的に志のある人を韓国に派遣する方向で話がまとまりました。両塾の関係と活動意義を理解した上で、両国の懸け橋になろうという志ある若者を育てるのです。具体的な滞在費用や研修受け入れ先などについても話が及びました。経費や時間など制約されることも多く、まして近いとは言え海外の韓国へと研修に行っていただける人を探すことは簡単ではありませんが、今年8月頃を目標に人材を探し、それぞれの塾主が面接を行い認められた人が韓国「機会の学塾」に特待生として所属し、約半年ほど語学研修を行う計画を今後進めていくこととなりました。そして相互塾の窓口として直接担当として互いの情報を交換したり、通訳を含め今後の両塾関係の更なる強化に一躍を担っていただくことになります。それまでは、機会の学塾は「ソン・ポンギさん」が四国政経塾は「大和田塾頭」が窓口となり、今後相互の調整を取り合うこととなりました。
 次に共同事業を研究するために今後更なる協議が必要になるので、経費の面等も考慮すると相互に行き来するには負担が大きいこともあるので、福岡を拠点としたインターナショナルハウスやマンションを借りる等事務局的な拠点づくりについての協議に移りました。これについては、協議回数が増えることを前提として経費をいかに抑えるかという点からの提案ですが、釜山と福岡の船便による交通機関が比較的安価なことから提案されたものです。四国から福岡となると時間的・経費的観点から場所については一応の合意はしたものの、開催地については少し詰めが必要な気がしております。
 最後の経費については、まだまだこれからの課題となりますが、福岡を拠点とした事務局が設置されれば、特産品販売などのイベント企画などによる事業収入が見込めないかなどの意見が出されました。四国を拠点とする我々からすると課題も多い計画ですので、こちらからは地域コミ
ュニティービジネスの概念を取り入れながら、相互の問題点をクリアできるような新しい共同事業を立ち上げられないかを提案しました。いずれにしても事業に向けてはコミュニケーションが十分に取れるようになってからの段階であり、先ずは言葉の壁をクリアする問題に集中して取り組む方向での話がまとまりました。
 また、機会の学塾と四国政経塾の大きな交流方針として、4月・10月の年2回の交流をベースにして、4月には従来から行っている講義スタイルでの勉強会を行い、10月には機会の学塾から日本へ卒塾旅行研修として四国へ訪問する計画を協議するとの方向でまとまりました。そしてその際に色々なプログラムを組み、相互の塾の活動内容説明などを行うことが確認され、相互の塾運営に一層の関心と理解を深めることに努め、これら全ての協議に向けては合意書を交わすことで協議を締めました。協議は2日間に渡り行われ、夜には韓国の代表的な「千年約束」というお酒で乾杯し、有意義なひと時を過ごしました。ユウ先生やパクさん・ソンさんは本当に笑顔が素敵で、いつも思うのですが礼儀を重んじる韓国の方々の一面を拝見するたびに本当に頭の下がる思いです。この日のことは本当に私の財産です。大切に交流を育んでいきたいと思います。

 翌日には徳島県鳴門市へと向かい、大塚美術館の見学に向かいました。地中美術館とはまた違
ったスケールの感動があると思います。その後ホテルへと移動し渦の道を散策しましたが、この日は潮の時間が合わず、残念ながら鳴門の渦潮は見えませんでした。

      

 最後の日は四国八十八か所一番札所である霊山寺やドイツ館の見学をして、松山空港へと向かい今回の交流研修を終えました。今回は随分と進んだ協議になったと思います。クリアしなければならないハードルは高いけれど、その分やり甲斐も感じています。今後も素晴らしい関係が継続できるよう微力ながら尽力したいと思います。
平成21年6月12日
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