韓国機会の学塾訪問
 平成22年7月14日〜17日の4日間、韓国釜山市を拠点に人材育成に貢献している姉妹塾「機会の学塾」を訪問しました。
 今回の訪韓目的は、昨年10月から語学研修で訪韓している藤川氏の状況確認。そして、11月に計画しているソプラノ歌手の村上彩子さんの釜山でのリサイタル開催の打合せ、また韓国とのビジネス交流を図る目的で、除菌ティシュや介護用紙オムツ輸出の可能性、韓国の医療観光ビジネスの概要等についての打合せです。
 初日は朝7時に事務所を出発し、関西国際空港までは4時間かけて車での移動です。いつものようにユウ理事長とソン代表が空港まで出迎えてくださいました。初日はユウ理事長の自宅である三浪津(サンユンジュン)にあるペンションへ車で移動です。韓国釜山も日本と同じく蒸し暑く、途中ユウ理事長の車がオーバーヒートするアクシデントがあり、同乗していた大和田塾頭と桐内さんも高速道路でエンストし、さぞヒヤヒヤしたことと思いますが、途中で車1台に荷物を抱えながら乗車し、何とかユウ理事長のご自宅まで到着しました。ユウ理事長の奥様手作りのサンゲタン(鶏肉の蒸焼)で夕食をご馳走になり、お店で食べるサンゲタンは薬草の香りがちょっと苦手でしたが奥様のサンゲタンは本当に美味しく頂きました。夕食後小休憩をとり藤川君の韓国での様子を伺いました。ユウ先生のお話によると藤川君自身が塾の活動について理解しようとしていないのではないか?という趣旨のお話があり、随分と手厳しいご意見を賜りました。韓国での様子を直に見ていない我々にとっては、双方の意見を聞いてみないと何とも言えないのが現状であり、非常に複雑な思いでユウ理事長のお話を伺いました。その後はユウ理事長から韓国でドームハウスを施工している事業者があり、安価で施工期間も短く、仕事のない人たちへの就労も含めて検討しているとのお話があり、日本でも取り組んでみてはどうか?とご提案をいただき
、ホームページ等により施設の概要をご紹介頂きました。日本の建築基準に適合するか?等の疑問はありますが非常に面白い取り組みであると思いました。若者や高齢者への住宅提供や、過疎地のUターン・Tターン者の受け入れ施設の整備や仮設住宅としての機能等にも応用できるのではないでしょうか?!軽量で地震や台風などの風害にも強く、気候風土的には日本にも適しているのではないかとのお話で早速日本に帰って検証してみたいと思います。この日は大和田塾頭とユウ理事長は、遅くまでお話合いをされていたそうですが、私は9時頃に床に入ると、すっかりそのまま眠ってしまいました。

 2日目の朝、電車で釜山市内まで移動し、昼ごろに一旦ホテルにチェックインを済ませ、昼食を皆さんと一緒にいただいた後、午後からホテルで藤川君と話し合いました。ユウ理事長からの指摘事項などを藤川君に直接問い合わせましたが、本人が努力していることは十分理解でき、社会経験不足と若さゆえに誤解を招く場面もあるのではと想像されます。機会の学塾内部で一部の方が四国政経塾との姉妹関係に何らかの疑問を持っていることも今回の訪韓で少し見えてきました。これまでの歴史や経緯を良く知らない方々のご意見だと思いますので、あえて今回は詳しくは触れませんでしたが、今後の姉妹関係にこうした一部の心もとない意見が、折角十数年間続けてきた協力関係に今後歪みを生まないことを願ってやみません。同時に異国間交流の難しさも感じさせられました。夕方5時の約束の時間ギリギリまでホテル内で意見交換をしましたが、我々四国政経塾の仲間は少数だけに互いに仲間意識のない状況ではいけないとの方向性を持って、相互にモヤモヤしたものを少しでも残さないように話し合いを行いました。決して十分ではありませんが、一応の相互理解を確認し、夕食の会場で話し合いましたが、問題解決には少し時間と経過を要する気が致しました。夕食後事務所へ移動し、7時30分から9時30分の2時間、大和田塾頭が志をテーマに人類の歴史から今日に至る人の使命や役割について講義を行いました。今回の講義内容はレジメを準備し桐内さんによって韓国語に訳された文書も一緒に資料として準備していましたので、非常に塾生の皆さんにも理解しやすい内容であったように思います。人を批判したり悪口を言っても何も変わらない。松下幸之助氏の取り組む姿勢を例に挙げながら、明確な志・素直な心・元気な人を目指して今後も取り組んでほしいと伝えました。最後に卒塾の際には是非とも四国を訪れてほしいと塾生の皆さんに厚くエールを送りました。指導者としての在り方や塾生としての取り組み方を熱心に伝えた講義内容でした。
      

 3日目は午前中は少しゆっくりさせていただき、11時30分から釜山市内で昼食を取りながら、打合せを行いました。先ずは釜山市役所職員の方々(機会の学塾OB)と、ソプラノ歌手村上彩子さんの韓国コンサートの開催について打合せを行いました。韓国と日本の文化交流の一環として音楽を通じて相互の交流を深めようとするものです。村上彩子さんとは以前の日本志民運動で御縁があったソプラノ歌手で、平和をテーマに広島を拠点として全国で音楽活動を展開されていて、その圧倒される声量と澄んだ歌声、そして歌手になるために幾多の試練を乗り越えたエピソードがとても印象的な方です。韓国と日本の音楽に対する文化的感覚やシステムの相違もありましたが、大変良い経験になると思うと同時に、今後韓国側で詳細の調整を行い、11月のコンサートに向けて意見交換が行われました。同席上でMTM鰍フ代表との面談も行い、釜山市の医療観光事業の取り組みと紙製品の医療関係者へのご紹介などについて、意見交換を行いました。まだ具体的なビジネスモデルについては不明ですが、お話によればアジアはもちろん欧米諸国にも事業展開を図っており、現在上海万博でブース展示や紹介を行っている事業とのお話でした。壮大な計画で詳細はまだまだ不明ではありますが今後非常に興味深い内容で、早速に頂いた資料をよく理解しなければと思っています。何分にも限られた時間で十分な意思疎通は図れませんでしたが、いずれも今後の展開が非常に楽しみであります。

 夕方には通訳でいつもお世話になっています金美香さんとご主人の張相彦さんと海雲台にて夕食をご一緒させて頂き、海が一望できる素敵なお店で魚料理を御馳走になりました。美香さんのご主人とは今回初めてお会いしましたが、釜慶大学校の教授と聞いておりましたので、イメージとしてはちょ
っと堅い方を想像していましたが、お酒がお好きで、とても気さくなものですから初めてお会いしたとは思えない程で、本当に楽しい一時を過ごさせて頂きました。藤川君の韓国滞在に対する考え方等にも、色々とアドバイスをいただき本当に有難うございました。
 今回の韓国訪問も非常に濃い内容でありましたが、色々な課題も見えて来ました。今後の両塾の関係がよりよきものとなるように個々の諸問題をクリアしていかなければなりません。何はともあれいつものようにお世話くださいました機会の学塾の皆様に心より厚く御礼申し上げます。
平成22年4月21日
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