初 ・ カンボジア研修に参加して
 韓国・機会の学塾が3年ほど前からカンボジアの環境や教育、学校や家等の建設支援としてボランティア活動を行っています。今回、学塾の劉判洙先生から四国政経塾もこのボランティア活動に参加しなさいと話があり、当塾も参加させて頂く事になりました。

 日程は、4月16日(金)〜21日(水)、カンボジア行きは、日本から直行便がなくハノイ経由 ⇒ カンボジア・シェムリアップ。国内移動も大変で、成田発の時間が合わず、16日の出発、また、17日は現地入りの移動だけで1日が終わり、ホテルに到着したのが、午後9時を過ぎていました。空港へはオーストラリア人と宿泊先の方が迎えに来てくれていました。オーストラリアの方は、劉判洙先生の友人の方でカンボジア現地にピースカフェを運営されています。私たちがカンボジアに行くのが初めてな為、ホテルの方と一緒に空港まで迎えに来てくれたそうです。ホテルに到着後、各自シャワーを浴び休憩する事になりました。学塾の皆さんの到着は午後11時半頃と聞いていましたが、ホテルに到着したのが夜中の12時を過ぎていました。私たちもそうですが、学塾の皆さんも移動の疲れもある為、劉判洙先生と挨拶を交わした後、すぐ床に就きました。

 3日間のスケジュール
 ・18日=ハーモニーファーム訪問
      ボランティアセンター訪問
 ・19日=ストリートチルデレン施設訪問
      水フィルター製造訪問
      タラ川船日没ツアー・水上生活見学
 ・20日=日の出アンコールワット遺跡見学

 3日間、様々な施設を訪問しました。アンコールワット遺跡もすごかったですが、自分自身忘れられないのは、やはり現地の子供たちです。テレビ等で現地の様子を見た事もありますが、実際に自分の足で現地に立ち、現地の人たちの生活や子供達の様子を目の当たりにした時の衝撃は胸が痛かったです。現地の人たちの為に学塾の皆さんが汗を流し、泥まみれになって建物造りの作業を行い、又韓国から野菜などの種や日用品、そして寄付金を贈るなど、政経塾からも少しですが寄付金を贈らせて頂きましたが、こんな言い方をしてはいけないのですが、現地での生活そのものが貧困で、生きる事に必要な水がなく、食糧も僅か、そんな環境の子供たちは、恥ずかしいとか、辛いといった素振りも見せず、笑顔で私たちを迎えてくれました。劉判洙先生から後から聞いた話ですが、カンボジアの子供たちが、現地の環境に恵まれず、又、病気で亡くなっている今、政経塾からの寄付金で約500人の子供たちの命が助かると聞きました。

 ハーモニーファームの第一目的は、ベルリン村に住む子どもたちの生活をより良くする事、貧困のサイクルから抜け出すために、必要な事は、次の5項目

・恵まれない子どもの為に、安全で家族のような環境を提供すること
・無料で、英語、クメール語、美術、図工、音楽レッスンを村とその地方の子供たちに提供する
 こと
・環境を守りながら、質の良い食材を有機農法で栽培すること
・コミュニティーの必要とされている医療教育、ヘルスケア、伝統的な音楽や文化活動をサポー
 トすること
・健康や環境に優しい生活や農作業をコミュニティーの人が自分自身の力でできるようにサポー
 トすること、 とあります。

 私たちが訪問した時には、オーストラリア人女性・マリさんと、英語の教師としてデンマーク人女性の方が滞在していました。

 施設の環境・生活ぶりを目の当たりにして感じ思った事は
、訪問した先で、マラリアに罹った子供が、薬もなく病院にも行けずに横たわっていました。現状を伝える為とは言え、胸が痛み、そんな子供にカメラは向けられなかった。
 また、道路の向い側には、蓮の葉が浮かんだ池があり、その池では元気な子供がペットボトルに池の水を汲み、その水を飲んでいた。自分の目を疑いもしました、思わず『ダメ、飲んじゃダメだよ』と、言いたかった自分でしたが、現地で生まれた子供たちにはそれが普通の事で、声を掛ける事も出来ない自分に腹も立ちましたが、それが現実です。マラリアに罹った子、池の水を飲んでいる子を見た時、健康や環境に優しい生活を考えるなら、その水は飲む水ではない事も教えてほしい、専門的知識のない私にはわかりませんが、飲み水が無いため、池の水でのどを潤すしか方法がないと言われれば、現地を訪問したらそうかもしれない、でも、家の無い人に、家を建ててあげる。子供たちに学校が無いから学校を建てる、どれも必要で、現地の人たちには重要な事かもしれない、だけど目に見えて病気になる事を放置しているのもどうかと思う。私たちの支援金で約500人の子供たちが助かったとしても、一歩で、病気になる事が解っているのに放置していれば、病気になる子供が増えるばかり、また、他の訪問先や水上生活地域・アンコール遺跡周辺では、子供がハガキやアクセサリー等を売り、観光客相手に働いている。栄えた町では少なかったですが、バスで移動している時に目にしたのは、昼間だというのに大人が家の中で横になり、大人の働く姿が無く、子供の働く姿・・・。なにかおかしい・・・? 子供を働かせても、カンボジアの国自体が、大人たちに働く場所が無いのかもしれませんが、なにかがおかしい・・・? 私だけなのかもしれませんが、カンボジアの人々が安心して生活できる支援をし続けても、町中で目にする大人や働く子供たちを見ていたら、その人達の生活は何も変わらないような気がする。働いている子供たちには、親がいない子供も中には居るのかもしれません、もしそうであるのならば、何故働く子供を放置しそんな環境を変える事をしないのでしょうか?現地の子供たちが私たちに見せてくれた無邪気な笑顔を思い出すと、再度訪問した時、その笑顔を目にする事が出来るのだろうか・・・?

       

       

 カンボジア研修に参加しましたが、TVだけでは、本当の現実が解りませんでした。今までTVで見る事しか出来なか
った地域に、自分の足で立ち、自分の目で確かめる機会を付くって下さった、劉判洙先生に感謝します。
 機会の学塾の皆さん、そして現地に滞在している皆さん、本当に有難う御座いました。そして厚い中での作業とても大変でしたが、ご苦労様でした。
 また、現地の子供たちには、私たちが出会った時の笑顔のままで、元気のままで居てほしい。そして、子供たちが大人になった時、もっとより良い生活環境になっている事を心から願うばかりです。それには、支援してもらうだけでなく、また、支援してもらう事を当たり前に待ち続けるのではなく、カンボジアの大人の人たちに、自分たちの為、子供たちの為に、自分たちの生活環境を変える為、自らの手で、何かを始めてほしい。また、これから私たちに何が出来るか、深く考えなければならないカンボジア研修でした。

 笑顔の素敵な子供たち、そして現地で活動しているボランティアの方々、カンボジア滞在中大変お世話になりました。また、劉判洙先生、学塾の皆さん、忘れる事のできない研修になりました。本当に有難う御座いました。
平成22年4月21日
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