韓国・機会の学塾訪問

 今回、4月25日(木)~28日(日)、3泊4日の学塾訪問が決まり、参加人数は何時もよりも多く、大和田塾頭をはじめ全7名です。何時もなら2泊3日なのですが、今回の3泊4日になったのは、29日(月)は祭日という事もあり、そして、参加メンバーが韓国初めて行く者もいる為、同じ行くなら一日自由な時間を組んでもらい、釜山を見学したら良いと、3泊4日で、日程が決まりました。記憶をたどってみると1年ぶりの訪問でした。1年ぶりの訪問と言う事もあり、私は久々の学塾の皆さんとの再会で楽しさと懐かしさで気分は踊っていました。

 1日目=25日、早朝6時に塾を出発⇒関空⇒釜山到着、釜山に着くと劉先生と学塾の方々が出迎えて下さいました。何時もなら釜山に到着後ホテルに向かうのですが、四国政経塾の塾生でもある、井川市議と高橋市議が参加という事もあり、空港から釜山広域市・沙上区役所に訪問。区役所では、区長さんはじめ区議会議員他、区役所職員の方々が暖かく出迎えて下さり、意見交換が行われました。まず、機会の学塾と政経塾の関係を説明し、沙上区は工業都市なのですが、区の人口・区の状況、そして現在では区として特に力を入れている教育問題等、約2時間意見交換をしました。
 区役所訪問後、ホテルに向かい30分程休憩をとり、夕食に向いました。夕食はカルビでした。1年ぶりの本場カルビ!やっぱり違いますね。すごく懐かしく、とても美味しかった。久々の肉、韓国味噌汁、満足です。・・・・食事まではとても満足で楽しい時間だったのですが、食事の後は、学塾の勉強会です。

 学塾の勉強会では、
 1時間目=求める人材像・・・三つの視点と「志」⇒講義:桐内
 2時間目=「道」「志を立てよう」⇒講義:大和田

 上記のように、今回初めて学塾で講義をする事になったのですが、なぜそうなったのか?自分の一言が招いてしまいました。ちょうど学塾訪問も1年ぶりなので、大和田塾頭に「今回、何か私勉強会で話してみようかな・・・」と、つい言ってしまったのが始まりでした。即座に大和田塾頭から「やってみるか?・・・やってみろ」と言われ、自分で「うわ、まずい、何話そう・・・言うんじゃなかった」後悔と不安、そう思っていても後の祭りです・・・。
 私は、知識もなければ人に講義する事など絶対にあり得ません。私は考えました、学塾の皆さんに講義するのではなく話を聞いてもらえばいいんだと、内容は普段、政経塾の勉強会で学んでいる事を発表すれば良いんだと思い、学塾の勉強会に挑む事になりました。
 まず、講義の議題は、求める人材像・・・三つの視点と「志」です。求める人材像には三つの視点が必要となり、一つ目「明確な志」、二つ目「素直な心」、三つ目「元気な人」、さらに「志」について、そして、上甲先生の万事研修等、説明をさせて頂きました。この内容は、故松下幸之助塾主から教わっている内容です。
 三つの条件の中の「素直な心」から言える事ですが、まさに素直な心で聞き、素直な心で考えてみれば、自分達を含めて欠落している部分だと思います。ただ何気なく一日を過ごすのではなく、学んだ事を何時も心に問いかけ、普段生活していく事が大切なのかを学んでいます。
 松下幸之助塾主は、塾生に「素直の初段になってください」と呼びかけていました。ただし、素直の初段には三十年かかるというくらい、単純な事ではありません。という話があります。今年の6月で、四国政経塾も二十年を迎えます。私は、その二十年の間、途中34年程自分の歩むべき道からそれてしまい、その後、本来の歩むべき道、今の道に戻りました。寄り道をしていた際、色々とあり、人前に出るのも駄目になり、買い物すら出る事もできずに、極度の対人恐怖症になっていた自分から、学塾の皆さんの前でお話しができるまでに変われました。これも、日頃から大切に見守って下さっている周りの皆さんや、そして大和田塾頭の指導のお陰です。
 四国政経塾は「地域から日本を変える」を趣旨として、日々、私たち塾生は学んでいますが、日本を変えるには地域から、地域を変えるには、自分のまわり、自分の周りを変えるには、まず自分が変わらないと何も変わりません。なぜ、今回政経塾で勉強した事をまとめ、このような貴重な勉強会の時間を頂いたかと言うと、学塾の皆さんも、学塾で学び成長する事によって皆さんが変われる事の少しでもお役にたてればと、今回発表させて頂きました。

 2時間目=「道」「志を立てよう」
 やっぱり、大和田塾頭です。「道」「志を立てよう」の講義内容から、あいま合間で、1時間目の私の話とかみあわせながら、講義を進めてくれました。
 大和田塾頭が勉強会でよく私達に、人はこの世に生まれてくるからには、その人の役目が有ると教えられています。故松下幸之助塾主の「道」がそれに当てはまると思います。
 自分の道を見つけたならば、囚われのない心で、大きな志を持っていれば、どんな困難にも耐えられ、自分の道を歩き続ける事ができ、心に描いた志に到達するのではないかと思います。
 学塾の勉強会も無事終わり、最後に皆で記念撮影をして、10時過ぎにホテルへ・・・。緊張し過ぎていたので、その夜は疲れていたのに、熟睡できなかった。

 2日目=26日、会社訪問と美術展示の見学。
 固形燃料制作、固形燃料専用ボイラー制作、無人自動化設備及び自動制御など、「産業廃棄物処理」会社へ訪問。
 生ゴミ、廃材、産業廃棄物等を固形燃料化し、リサイクル出来るシステムを完成させた会社です。事業目的や廃棄物導入・工程、開発技術、業務現況等、説明して頂きました。お忙しい中時間をつくって下さり、有難う御座いました。
 次に、美術展示の見学ですが、上記訪問会社のビルの中にあり、この美術館は、会員制の美術館だそうです。
 日本では、絵画等の展示品にはそれぞれに価格が付いているのですが、見学した美術品には価格がなかったので、通訳さんに後で聞くと一般公開の美術品ではなく、会員制の美術品なので価格は出していないと聞きました。確かに美術館と言っても、数えられるくらいの数点しか置いていませんでした。絵画だけでなく水墨画や書道画などもあったのですが、同行していた塾生の深川さんは書道を習っている為、書道画に関しては食い入るように見つめていました。

 今回の訪問では、久しぶりの訪問と初めて参加したメンバーのため、2日目の午後はフリーにしてもらい、昼食後は自由行動でした。免税店に行く者、疲れてホテルで休む者、夕食までの時間自由に行動しました。
 夕刻、ホテルに劉先生と学塾の方がお迎えに来てくれて、夕食に出掛けました。この日の夕食は、刺身をご馳走してくれて、楽しい時間を過ごしましたが、夕食の時に、劉先生から昨日の私の講義が素晴らしかったと、感謝碑を手渡してくれました。本来なら勉強会が終わった時に渡されるのですが、2日目の夕食に渡された時、驚きと感激で、思わず涙してしまいましたが、感謝しております。深川さんが、桐内さんの話とても良かったと、そして、劉先生はじめ塾生の方にも評判が良かったと後で聞かされました。この日は、9時前後くらいにホテルに帰りそれぞれ床につきました。

 3日目=三光寺・国際市場見学
 朝ホテルの朝食を済ませ、10時にホテルを出て三光寺に向かいました。このお寺は一度、学塾の方に連れて行ってもらっていたのですが、他の塾生は韓国が初めてなので、見学する事にしました。三光寺に着くと、提灯が取り付けられており、4月末か5月にお祭があるそうで、お寺色とりどりの提灯が飾られていましたが、とても美しく素敵でした。
 三光寺に込められた意味は、三光寺には釈尊が衆生らに照らす、慈悲・知恵・白毫の三つの光がこの道場に満ち溢れ、曇った心を晴れやかにさせようとする願いが込められています。
 慈悲の光には、万物に慈悲を施し苦痛を無くし喜びを与えようとする釈尊の教えが、知恵の光には、衆生の闇を充分に打ち破り釈尊の知恵で人々が悟りを得られるよう願う心が、白豪の光には、人間の欲と憎しみが消えた釈尊の清い気運の光で宇宙の隅々を照らし、世の中の衆生が平安であることを祈願する気持ちが込められているそうです。
 大韓民国天台宗を再び興した上月圓覚大祖師は悟りという不思議な真理の明るい光で釜山を照らした。その教えに従って1969年釜山の信徒会が創立され、三光寺の前身である光明寺が創建された。
 光明寺に大勢の人々が集まり、露天法会に10余年の間奉公した。上月圓覚大祖師は大規模な仏教寺院を創建すると誓った。釜山の天台宗徒は上月圓大祖師の志を受け継ぎ意欲的に推進し、1983年、白楊山の麓、聖なる大地にその歴史が始まって以来の発展を重ねました。すべての人が仏法を頼るようにと、努力する三光寺では釈尊の、慈悲・知恵・白豪の光で満ち溢れており、熱心に修行する人の心は平穏である。と三光寺のパンフレットに書かれてありました。次回是非お祭りの日に行きたいと思っています。
 寺院内に、竜が両側に飾られていたのですが、深川さんが教えてくれました。本当かどうかは定かではないが、竜の足は所により、3本足(指)4本足、5本足とあって、その竜の足の本数で位を表しているそうです。三光寺に描かれ竜、飾られている竜の足は5本足だったので、深川さんは、三光寺の竜は最上位のもっとも位の高い竜だねと教えてくれました。

 三光寺から次に国際市場へ出掛けました。毎度のことながら国際市場はやっぱり大勢の人で賑わっていました。何回行っても国際市場は迷子になりそうです。カバン屋や洋品店、雑貨屋にアクセサリー、道端では飲食できる小屋台と、見た目には同じように見える店がだ~と並んでいます。そこそこ、国際市場で楽しみ、ホテルへ。国際市場からチャガルチ市場へ行く予定もしていたのですが、三光寺で時間を過ごし過ぎた事もあり、時間がなくチャガルチ市場へはいけませんでしたが、因みにチャガルチ市場は魚介類の市場です。
 夕刻、学塾の方々と食事に出掛けましたが、最終日の食事は、ヘルシー食でした。脂っこいものは少なく、野菜がメインで焼き魚など、お味噌汁の中にじゃこ海老が入っていて、隣に座っていた鈴木さんは、アレルギーのため海老が食べれないらしく、鈴木さんに「桐内さん、お願いですこの海老取って食べてもらえませんか?」という場面もありましたが、とても美味しく、また、同じテーブルで食事を囲んでいた、ユン・ヨンヘィさんとアン・ジョンヨンさんとの二人の(韓国語なので何を話しているのか解りませんが)やり取りが見ていてとても楽しく、鈴木さんと4人で笑いながら楽しい時間を過ごせました。昨晩、劉先生から感謝碑を頂き、嬉しさと驚きでお礼を言ってなかったので、1日遅れでしたが、改めてお礼を述べさせて頂きました。今まで、学塾の勉強会で感謝碑とか講義の記念品等という物は、誰も頂いた事は今までにありません。そんな中、感謝碑を頂く事ができて嬉しかったのですが、劉先生の寛大な心、学塾の暖かいお気持が、頂いた感謝碑に込められていて、本当に感謝しています。
 今回の学塾訪問は、ある意味私自身にとって、一歩前進できたのではないかと思っています。上記にも述べましたが、自分の道を見つけたならば、囚われのない心で、大きな志を持っていれば、どんな困難にも耐えられ、自分の道を歩き続ける事。時々様々な事で、は!と気づかされる事が多々あります。ですが、塾で自分が変わらないと何も始まらないと、教わっていますが、自分が変わったかどうか・・・。普段の生活の中で、自分で「あれ、私変わったのかなと」気づく事もあります。少しずつ一歩、また一歩と前進し続けていこうと思います。

 毎回訪問する際、劉先生をはじめ、学塾の皆様には空港への送り迎えや、道中の移動、食事の手配など、大変お世話になり感謝いたしておりますが、今後の両塾の関係がよりよきものとなるよう願い、最後になりましたが本当に有難う御座いました。
平成25年4月28日
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