四国政経塾設立にあたって
 間も無く、20世紀の幕が開かれようとしている。今世紀は日本にとって、近代 民主主義に向けて大変な努力と犠牲とを強いられ、幾多の試練を重ねて、構築されて来たことは言うまでもない。また、独特の勤勉さによって技術革新を計り、経済成長をとげ、世界のリーダーの一員と成り得た。我々は、これ大変誇りに思うと同時に意を強くするところである。
 反面、人間の都市集中・高齢化・空洞化現象等問題がないわけではない。なかでも、人口の都市への流出は地方にとって大変重大な要因である。この事によって地方の過疎化が進み、若者不在となって地方の労働力低下を招き、生産意欲の欠落となっている。
 非常にバランスの悪い日本形成が進行中で、この事は国も重大政策ととらまえ、近年地方問題を取り上げ種々対策が提言されているが、遠隔地四国でもこの状況は随所にみられ、その対策が急務とされるところである。
 今、四国の人口は約410万人、一県650万人達するところもあり、各県が独立して行動しても、自ずとその範囲は決まってしまう。人口的に見て、四県でやっとそれらの県と対当に座につくことが出来るかと思われる。そこで四県が一つになり将来を思考、模作せねばならない。
 我々もこの見地から21世紀を担当する青年達で、この豊富な自然を損なうとなく、夢があり、期待が持てる未来を実現したく願い、各県から青年有志をつのり、相互に意見を交換し、研鑽を積み、生きた行動をしたいと思う。
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